
夏に増える空気中の見えないリスク
ホルムアルデヒドと家具の関係

新しい家具を迎えるとき、ワクワクする気持ちと同時に、どこか気になる「におい」や「空気の変化」を感じたことはありませんか?
実は、家具には見えない化学物質が含まれていることがあり、その代表が「ホルムアルデヒド」です。
最近では、シックハウス症候群や化学物質過敏症といった健康への影響も注目されるようになりました。
とくにこれからの暑い季節は、ホルムアルデヒドの飛散が増えるため、注意が必要です。
本記事では、家具とホルムアルデヒドの関係や健康リスク、夏場の対策などを家具屋の視点でやさしく解説します。
家具選びに不安を感じる方も、ぜひ安心して読んでいただければと思います。
1.ホルムアルデヒドってどんな物質?

「最近なんだか目がチカチカする」「新しい家具を置いてから、ちょっとにおいが気になる…」そんなふうに感じたことはありませんか?
それ、もしかすると“ホルムアルデヒド”という化学物質が原因かもしれません。
暮らしの中に潜むホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドとは、家具や建材、内装材などに使われる接着剤や塗料に含まれる化学物質のひとつです。
とくにパーティクルボードや合板など、木材を再構成して作られた「人工的な木材」には、成形のために接着剤が使われることが多く、そこからホルムアルデヒドが揮発することがあります。
家具屋の立場から見ると、この物質はとても厄介です。
というのも、製造コストを抑えながらも見た目や機能を両立できる材料には、多かれ少なかれホルムアルデヒドが使われていることがあるからです。
もちろん、すべての家具が悪いというわけではありません。
けれど、家具を選ぶときに「どんな素材でできているのか?」という視点を持つだけで、毎日の空気が少しずつ心地よくなることもあるんです。
においの正体は「刺激性ガス」
ホルムアルデヒドは無色の気体ですが、独特な刺激臭をともないます。
たとえば、新築の家に入ったときのツンとしたにおいや、家具屋さんで新品の家具を開封したときに感じるにおい——あれがホルムアルデヒドです。
人によってはほとんど気にならないこともありますが、敏感な方や小さなお子さんがいるご家庭では、目のかゆみや喉のイガイガ、頭痛などの体調不良を引き起こすこともあります。
「気づかない化学物質」だからこそ知っておきたい
ホルムアルデヒドは、見えない・触れない・でも確かにそこにある物質。
だからこそ、ちょっとした知識が大きな安心につながります。
近年は、ホルムアルデヒドの放散量を抑えた「低ホルムアルデヒド製品」や、「F☆☆☆☆(フォースター)」といった建材等級表示が普及しはじめています。
こうした表示を参考にすれば、安心できる家具選びがしやすくなります。
たとえば、お子さまの学習机や、寝室に置く収納家具など、長時間過ごす空間に置くものほど、素材に少しこだわって選ぶことが大切です。
2.シックハウス症候群とは?

ホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされる体調不良の一つに、「シックハウス症候群」というものがあります。
近年では耳にする機会も増えてきましたが、まだまだ“なんとなく体に悪そう”というイメージ止まりの方も多いのではないでしょうか。
家具を取り扱う私たちにとっても、これはとても身近で見過ごせない問題です。
「新しい家なのに、なんだか体調がすぐれない…」
シックハウス症候群は、住宅の新築・リフォーム直後や、新しい家具を取り入れたあとに発症することが多いといわれています。
具体的には、次のような症状が報告されています。
- 目のかゆみ・痛み
- 鼻水・鼻づまり
- 喉のイガイガ・せき
- 頭痛や吐き気
- 倦怠感や集中力の低下
これらの症状は、風邪や花粉症と似ていることもあり、「体調のせいかな?」と見過ごされがちですが、もし新しい家具やリフォームをきっかけに体調を崩した覚えがあるなら、もしかするとシックハウス症候群かもしれません。
原因は「室内空気」の質にありました
シックハウス症候群の主な原因は、家具や建材、内装材から放散される揮発性有機化合物(VOC)です。中でもホルムアルデヒドは代表的な存在で、日本ではこの物質による被害が社会問題化したこともあり、住宅関連の法整備も進められてきました。
ただし、家具については建築資材ほど厳しい規制が設けられておらず、特に低価格帯の商品では、ホルムアルデヒドの放散量が多いケースもあるのが現実です。
「家具=健康に関係ない」と思われがちですが、空気の中に含まれる微量の化学物質が、日常的に体に影響を与えてしまうこともあるのです。
敏感な人ほど影響を受けやすい
シックハウス症候群の症状は、人によって出方がまったく異なります。
体質や体調、年齢、過去の体験などによって、ある人はまったく気にならない一方で、別の人はわずかな刺激にも敏感に反応することがあります。
特に、小さなお子さんや高齢のご家族、妊娠中の女性など、体の免疫や抵抗力が弱まりやすい方は、より注意が必要です。
また、「気のせいかも」と放置してしまうと、症状が慢性化したり、より重い化学物質過敏症へとつながってしまうこともあるので、体調の変化には少し敏感でいたいですね。
「心地よい暮らし」のためにできること
家具は毎日の暮らしを支える大切な道具です。
だからこそ、見た目や価格だけで選ぶのではなく、使う人の心と体を思いやる視点を大切にしたいと、私たちは考えています。
「この家具、ちょっとにおいがきついな」と感じたら、すぐに換気をしたり、しばらく風通しの良い場所に置いてから使い始めるのもひとつの方法。
最近では、ホルムアルデヒドの放散が少ない「F☆☆☆☆(フォースター)」認定製品や、天然素材にこだわった家具も増えてきました。
暮らしの中で“少しだけ気をつける”ことで、大きな安心につながるかもしれません。
3.化学物質過敏症について

「香水のにおいで気分が悪くなった」「新しい家具や家電のにおいがどうしても耐えられない」
そんな経験をしたことがある方は、意外と少なくないかもしれません。
中でも、ほんのわずかなにおいや化学物質にも過剰に反応してしまう状態を「化学物質過敏症(Multiple Chemical Sensitivity:MCS)」といいます。
この症状はまだあまり知られていませんが、実際に困っている方は増えてきており、社会的な理解が少しずつ進み始めています。
シックハウス症候群とはどう違うの?
シックハウス症候群と化学物質過敏症は、どちらも「空気中の化学物質による体調不良」という点では共通していますが、以下のような違いがあります。
シックハウス症候群 | 化学物質過敏症 | |
---|---|---|
主な原因 | 室内の建材や家具に含まれる化学物質 | 生活空間全体の多種多様な化学物質 |
発症のきっかけ | 新築やリフォーム後など | 一度の強い曝露や、長期的な曝露 |
症状の範囲 | 家の中や特定の場所で起こることが多い | 屋外や公共施設でも反応することがある |
継続性 | 環境改善で症状が軽減しやすい | 一度発症すると慢性化することがある |
シックハウス症候群が“住まいの空気”に起因するのに対し、化学物質過敏症は“暮らし全体”が影響を与える可能性があります。
香料、洗剤、柔軟剤、車の排気ガス、衣類に残った洗剤の香り…。日常にあふれる身近なものすべてが、刺激となってしまうのです。
症状は人によってさまざま
化学物質過敏症の症状もまた、非常に幅があります。
- 頭痛、めまい、吐き気
- 呼吸がしづらくなる
- 関節や筋肉の痛み
- 思考力の低下、記憶力の低下
- 皮膚のかゆみや湿疹
- 気分の落ち込み、不安感
一見して「ただの体調不良」と受け取られてしまうことが多く、周囲の理解が得られずに悩む方も多いのが現状です。
特に女性は、日常生活の中で香料や化粧品などに触れる機会も多いため、より慎重な配慮が求められる場合があります。
家具屋として、できること
家具選びが、健康にどう関わってくるのか——
あまり意識されることは少ないかもしれませんが、化学物質過敏症の方にとっては、まさに命に関わるレベルの問題になることもあります。
私たち家具屋ができることは、「なるべく化学物質を含まない家具を選ぶお手伝いをすること」。たとえば…
- 無塗装、もしくは自然塗料を使用した家具
- 接着剤を極力使っていない天然木の家具
- 低ホルムアルデヒド製品(F☆☆☆☆など)の取り扱い
- 素材や製造方法を丁寧に伝えること
こうした配慮は、すべてのお客様にとって「心地よく、安心して過ごせる空間づくり」につながると、私たちは信じています。
小さな気づきが、大きな安心に
家具を選ぶとき、「この素材は大丈夫かな?」「においは気にならないかな?」と少しだけ気にかけてみるだけでも、暮らしの快適さは変わってきます。
特に、夏場はホルムアルデヒドなどの化学物質が空気中に飛びやすくなる季節。敏感な方にとっては、より過酷な時期かもしれません。
「ちょっとした不調」も、見逃さないで。
あなたの体が発しているサインに、やさしく耳を傾けてみてくださいね。
4.なぜ夏にホルムアルデヒドの飛散が増えるの?

「暑くなってきたら、なんだか部屋のにおいが気になる」
「夏になると頭痛や倦怠感が出やすくなる気がする」
そんな感覚を覚えたことはありませんか?
実は、ホルムアルデヒドは夏場に特に注意が必要な化学物質なのです。
高温多湿の季節は、ホルムアルデヒドが空気中に出やすくなる
ホルムアルデヒドは、家具や建材に含まれる接着剤や塗料などから空気中に少しずつ揮発する(気体として出てくる)性質を持っています。
そしてこの“揮発”の量が増える条件が、気温の上昇と湿度の高さ。
つまり、まさに「夏の気候」がホルムアルデヒドの飛散を促進してしまうのです。
・気温が高くなるほど → 分子が活発に動き、空気中に放出されやすくなる
・湿度が高いと → 水分と反応して、においや刺激を感じやすくなる
特に梅雨明け〜真夏にかけては、屋外だけでなく室内の空気もこもりがち。
そこへ新品の家具を導入したり、エアコンの使用で換気が不足すると、ホルムアルデヒドの濃度が一気に高まることがあります。
夏は「新しい家具やリフォーム」に注意
夏休みを利用して、模様替えや家具の買い替え、家のリフォームをされる方も多いかもしれません。
ですがこの時期は、新しい家具や内装材から揮発するホルムアルデヒドの影響が出やすい季節でもあります。
とくに以下のような状況では、より注意が必要です。
・寝室や子ども部屋に接着剤を多く使った家具を置く
・高気密の住宅で、窓を閉め切ったままエアコンを長時間使用する
体調不良を未然に防ぐには、家具を使い始める前にしっかり換気をしたり、数日間は風通しの良い場所に置くといった工夫が大切です。
夏を快適に過ごすためにできること
ホルムアルデヒドの飛散を最小限に抑え、夏を快適に過ごすために、次のようなポイントを意識してみてください。
- こまめな換気を習慣に
エアコン使用中でも、1〜2時間に一度は窓を開けて空気を入れ替えることが大切。空気清浄機と併用するのも効果的です。 - 家具選びは「素材」に注目
天然木や自然塗料を使った家具、F☆☆☆☆(フォースター)認定の製品は、ホルムアルデヒドの放散が非常に少なく、夏場でも安心して使えます。 - 「においチェック」も大事なサイン
開封直後にツンとしたにおいを感じたら、すぐに設置せず、風通しの良い場所で“ガス抜き”する時間をつくりましょう。 - 湿度管理も忘れずに
除湿器やエアコンの除湿モードを活用して、室内湿度を50~60%前後に保つと、ホルムアルデヒドの飛散が抑えられると言われています。
「ちょっと気をつける」だけで、大きな違いに
ホルムアルデヒドは目に見えない存在だからこそ、不安になりすぎるのではなく、「正しく知って、上手に付き合う」ことが大切です。
夏の室内環境は、少しの意識でぐっと快適になります。
家族の健康や、日々の過ごしやすさを守るためにも、“空気の質”を気にかける習慣、取り入れてみませんか?
5.ホルムアルデヒドと家具の関係?

「家具って、木でできているから安心だと思ってた」
そんな声を耳にすることがあります。
確かに、見た目には自然な木の風合い。
でもその中には、目には見えない化学物質が潜んでいることもあるのです。
ホルムアルデヒドと家具は、実はとても深い関係にあります。
なぜ家具にホルムアルデヒドが使われているの?
家具にはさまざまな素材が使われていますが、コストや加工のしやすさ、デザイン性を考慮して合板(ベニヤ板)やパーティクルボード、MDF(中質繊維板)といった「木材を再構成した素材」が多く使われています。
これらの素材は、木の繊維やチップを接着剤で固めて板状にしたもの。
その接着剤に含まれているのが、ホルムアルデヒドです。
つまり、見た目は“木”でも、内部に化学物質が含まれていることがあるというわけです。
また、表面の仕上げに使われる塗料やコーティング剤などにも、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)が含まれている場合があります。
どんな家具に多いの?
ホルムアルデヒドを多く含んでいる可能性が高い家具としては、以下のようなものが挙げられます。
- 価格が比較的安価な収納家具(タンス、テレビボード、本棚など)
- MDFやパーティクルボード製のシンプルな棚やデスク
- 組立式の家具(大量生産・輸入品など)
- 表面がツルツルした化粧板仕上げの製品
もちろん、すべての合板やMDFが「危険」というわけではありません。
現在では、ホルムアルデヒドの放散量を極力抑えた「低ホルムアルデヒド製品」も多く流通しており、安心して使えるものも増えています。
家具選びのチェックポイントは?
家具屋として、私たちがいつもお客様にお伝えしているのが、「家具の見た目や価格だけでなく、“中身”を気にかけてみてください」ということ。
ホルムアルデヒドとの関係を考えるうえで、以下の点をチェックしてみましょう。
1.「F☆☆☆☆(フォースター)」表示を確認
日本のJIS・JAS規格で定められた、ホルムアルデヒドの放散量が最も少ない最高等級。住宅建材にも使用可能なレベルで、安心の目安になります。
2.素材表記を確認
「天然木」「無垢材」と記載があれば、接着剤の使用量はぐっと減ります。ただし、すべてがそうとは限らないため、販売員に確認するのがおすすめです。
3.においをチェック
展示品でも、ツンとした刺激臭を感じるものは注意が必要。新品でにおいが強い場合は、使用前にしっかり換気を行いましょう。
4.子ども部屋や寝室にはとくに注意
長時間過ごす空間、特にお子さんのいるお部屋には、できるだけ自然素材の家具や、放散量の少ない製品を選ぶと安心です。
ホルムアルデヒドを“ゼロ”にするのは難しいけれど…
私たちが日々の暮らしで使っている家具には、少なからず化学物質が含まれています。
ですが、「すべてを避けなきゃ」と身構える必要はありません。
大切なのは、知って、選ぶこと。
そして、必要な場面では上手に“空気を整える”こと。
家具は暮らしの一部であり、日々の快適さや安心感をつくってくれるもの。
だからこそ、見た目やデザインだけでなく、素材のこと、空気のことにも、ほんの少しだけ目を向けてみてください。
6.家具屋からのアドバイス|快適に暮らすために

家具は、ただの「モノ」ではありません。
毎日の暮らしに寄り添い、家族の時間を支えてくれる、かけがえのない“暮らしの道具”です。
だからこそ、見た目のデザインや使いやすさだけでなく、「空気を汚さない家具」という視点も、これからの時代にはとても大切です。
ここでは、家具屋の立場から、ホルムアルデヒドなどの化学物質と上手に付き合いながら、安心して、心地よく暮らすためのヒントをお伝えします。
1.天然素材・自然塗料の家具を選ぶ
最近は「ナチュラル志向」の高まりもあり、無垢材の家具や、自然塗料で仕上げた製品を選ばれる方が増えています。
無垢材は、木そのものを使用しているため、接着剤の使用量が少なく、ホルムアルデヒドの放散量も抑えられます。
自然塗料(亜麻仁油・蜜蝋など)で仕上げられた家具は、においもやさしく、お子さんや敏感な方にも安心です。
とはいえ、無垢材の家具は価格がやや高めになることも。
そのため、「天板だけ無垢材」「見える部分は天然木、内部は低ホルムの合板」など、バランスよく設計された家具を選ぶのもおすすめです。
2.「F☆☆☆☆(フォースター)」表示をチェック
ホルムアルデヒドの放散量について、日本ではJIS・JAS規格に基づき、「F(エフ)☆☆☆☆」というマークで等級が表示されています。
- F☆☆☆☆(フォースター):放散量が最も少ない、安全性が高い
- F☆☆☆、F☆☆ など:放散量がやや多い(製品によっては使用制限あり)
家具を選ぶときは、F☆☆☆☆の表示があるかどうかを目安にすると安心です。
特に、お子さまの学習机やベビーベッド、長時間使うソファやベッドフレームなどには、こうした安全性の高い製品を選びたいですね。
3.新しい家具は「ガス抜き」をしてから使う
家具を買ったばかりの頃、「独特なにおい」が気になることがありますよね。
これは、ホルムアルデヒドや塗料に含まれる成分が空気中に揮発しているサイン。
新品の家具は、いきなり部屋に置かず、風通しの良い場所で数日間“ガス抜き”をしてから使うのがおすすめです。
においが強い場合は、数日かけて様子を見ながら、換気をこまめにおこないましょう。
4.換気・湿度管理を習慣に
ホルムアルデヒドは、高温多湿の環境で揮発しやすくなる性質があります。
特に夏場は、室内の換気が不足すると空気中の濃度が上がりやすくなります。
- 朝晩の涼しい時間に窓を開けて換気
- 湿度が高い日は除湿機やエアコンの除湿モードを活用
- 空気清浄機(HEPAフィルター付き)でVOC対策をサポート
こうした小さな工夫が、空気の質を保ち、心と体の健やかさを守ることにつながります。
5.「においに敏感かも?」と思ったら、無理をしない
においに敏感な方や、過去に体調を崩した経験がある方は、「ちょっと様子を見る」「すぐに使わず、しばらく寝かせる」など、自分のペースで家具を取り入れるようにしましょう。
また、家具の購入時には、お店のスタッフに「低ホルムアルデヒドの製品はありますか?」と遠慮なく聞いてみるのも大切です。
きちんと素材や製造方法にこだわっているお店なら、しっかりと説明してくれるはずです。
快適な暮らしは、選び方でつくれる
“空気のきれいな部屋”は、目に見えないけれど、確実に私たちの心と体をゆるめてくれます。
家具を選ぶことは、暮らしを選ぶこと。
だからこそ、ちょっとだけ素材や空気のことに目を向けてみる——それだけで、毎日はもっと快適に、やさしくなるかもしれません。
7.まとめ|“見えない空気”まで、大切にする暮らしへ

家具を選ぶとき、つい見た目や使いやすさ、価格だけで判断してしまいがちですよね。
でもその家具が、私たちの毎日の空気や体調に、じわりと影響を与えていることがあるとしたら——少しだけ、選び方を見直してみたくなりませんか?
今回お話ししたように、ホルムアルデヒドは家具に使われる接着剤や塗料から放散され、シックハウス症候群や化学物質過敏症など、健康への影響を引き起こすことがあります。
特に夏場はその放散量が増えるため、「空気の質」を整えることが、思いのほか大切になってきます。
けれど、必要以上に不安になる必要はありません。
私たちにできることは、ほんの小さな工夫ばかりです。
- 「素材表示」や「F☆☆☆☆」マークを意識して家具を選ぶ
- 新しい家具はすぐに使わず、においを飛ばす時間をつくる
- 室内の換気や湿度調整を習慣にする
- 家族の体調や違和感に気づいてあげる
こうした積み重ねが、家族の健康を守り、心地よい毎日をつくっていく力になるのです。
私たち家具屋としても、ただモノを売るのではなく、
“長く安心して使える家具”を選ぶお手伝いができればと思っています。
「この家具、安心して使えるかな?」
「家族のために、少しだけ素材にこだわってみたい」
そんな風に思ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
見えない“空気の質”まで心を配れる暮らしは、
きっとあなたの毎日を、もっとやさしく、心地よくしてくれるはずです。
また、ホルムアルデヒドを除去することのできるアイテムもあります。
こういったアイテムの利用も検討してみてくださいね。
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