
一本歯下駄で“感覚”は取り戻せるのか

― 中村友梨香さんの言葉から考えた、走ることと体のこと ―
「走り方をどう変えるか」ではなく、「体の感覚をどう取り戻すか」。
そんな視点に、少しずつ興味を持つようになってきました。
先日、北京五輪女子マラソン代表の中村友梨香さんのお話を聞く機会があり、
その中で印象に残ったのが、“一本歯下駄”との出会いです。
理論ではなく、直感。
履いてみたら、「走りの感覚が良くなる気がした」。
シンプルな言葉ですが、その背景には長く競技に向き合ってきた人にしかわからない深さがありました。
ケニアでの裸足に近い環境、靴と故障の関係、そして競技人生の中で感じてきたこと。
今回は、そのお話から感じたことを、少し振り返ってみたいと思います。
1. 一本歯下駄との出会いは「直感」だった
中村さんが一本歯下駄に出会ったのは、選手を引退し、以前よりも走るスピードが落ちてきた頃だったそうです。
「もう少し速く走りたい」
そんな気持ちがあった中で出会ったのが、一本歯下駄。
特別な理論を学んでからではなく、ただ履いてみた。
それだけでした。
そして感じたのが、
「走りの感覚が良くなる気がした」
「現役の頃の感覚を思い出した」
ということ。
この“気がした”という表現が、とても印象的でした。
はっきりとした数字や理論ではなく、でも確かに感じる変化。
長く体を使ってきた人ほど、この「なんとなくわかる感覚」は大切なのかもしれません。

2. ケニアで見た「裸足に近い走り」
中村さんはケニアでのトレーニング経験も話してくださいました。
そこで印象的だったのが、“裸足に近い環境”です。
ケニアの選手たちは、土の上を走り、体の感覚をダイレクトに受け取りながらトレーニングをしています。
そしてこんなお話もありました。
「ケニアの選手は、靴を履くようになってから故障が増えた」
もちろん、すべてがそうとは言えませんが、とても考えさせられる言葉です。
私たちは、クッション性の高いシューズや、機能的な道具に囲まれています。
それ自体はとてもありがたいことです。
ただ一方で、“感じる力”が少しずつ弱くなっているのかもしれません。
地面の硬さ、体のバランス、足の使い方。
そういったものを、ダイレクトに受け取る機会は、確かに少なくなっています。
3. 「誰かを助けるために走る」という動機
ケニアの選手たちが走る理由についても、印象的なお話がありました。
それは、「誰かを助けるために走る」というもの。
家族のため、生活のため、走ることが人生に直結している。
だからこそ、走ることへの向き合い方も、日本とは少し違うのかもしれません。
速くなるための理論やテクニックはもちろん大切ですが、その前にある“理由”や“動機”。
それが体の使い方や継続力にも影響しているように感じました。
4. 走り方を考えるよりも、まず動く
今回のお話の中で、個人的にとても腑に落ちたのがこの言葉です。
「走り方を考えるよりも、動くこと」
つい私たちは、
・正しいフォーム
・効率的な動き
・ケガをしない方法
などを頭で考えがちです。
もちろんそれも大切ですが、中村さんのお話を聞いていると、それ以上に大事なのは“日常の積み重ね”でした。
食べること。
寝ること。
太陽の下で体を動かすこと。
そして、シンプルですが印象に残ったのが、「ご飯の前にお菓子を食べない」
しっかりと栄養が取れるご飯を食べることが大切。という話。
とても当たり前のことですが、こういった小さな積み重ねが、体の状態をつくっていくのだと思います。

5. 一本歯下駄は「歩くだけ」でいい
一本歯下駄というと、少しハードルが高く感じるかもしれません。
でも中村さんのお話では、「まずは歩くだけでいい」
特に、歯の小さいタイプの下駄は取り入れやすく、日常の中で無理なく使えます。
さらに興味深かったのが、「不整地こそトレーニングになる」という考え方。
舗装された道ではなく、少し凸凹した地面を歩く。
それだけで、自然と体はバランスを取ろうとします。
特別なトレーニングをしなくても、日常の中で体を整えていく。
その感覚でよいのではないでしょうか。

6. 「楽しくなかった」時期があったというリアル
中村さんは、西宮高校時代から高い目標を持って走っていたそうです。
ただ、その時間がずっと楽しかったわけではない、という言葉もありました。
これはとても印象的でした。
トップ選手というと、好きで、楽しくて、走り続けてきたイメージがあります。
でも実際には、苦しい時間や、思うようにいかない時期もある。
それでも続けてきたからこそ、今の言葉に重みがあるのだと感じました。
7. 「感じたことを言語化する」ということ
今回のお話の中で、特に印象に残ったのがこの考え方です。
「感じたことを言語化する」
体の違和感。
動きの変化。
心地よさ。
そういったものを、そのままにせず、言葉にする。
これができると、自分の状態を客観的に見られるようになります。
ケガの予防にもつながりますし、成長のヒントにもなります。
逆に言えば、言葉にできないままだと、変化にも気づきにくい。
これは走ることに限らず、日常の中でも同じかもしれません。

8. フルマラソンの世界は、想像以上に繊細
中村さんのお話の中で出てきた数字があります。
フルマラソンは、「100mを約22秒のペースで走り続ける」世界。
この数字を聞いたとき、改めてそのすごさを実感しました。
少しのズレ、ほんの少しの違和感が、大きな結果の差につながる。
だからこそ、“感覚”がとても重要になるのだと思います。
9. まとめ:まずは「歩くこと」から
今回のお話を通して感じたのは、特別なことをしなくてもいい、ということでした。
いきなり速く走ろうとしなくてもいい。
完璧なフォームを目指さなくてもいい。
まずは、歩くこと。
体を動かすこと。
外に出ること。
そして、感じたことを少しずつ言葉にしていくこと。
一本歯下駄も、そのきっかけのひとつなのかもしれません。
無理なく、でも確実に、体と向き合う時間をつくる。
そんなきっかけとして、一本歯下駄が使えたらいいですね。

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