
今こそ、下駄のある暮らし。
―美しい会津桐と児島デニムが出会った、現代の一足

昔ながらの「下駄」が、いま再び静かに注目を集めています。
それは、ただの懐かしさではなく、忙しい毎日の中で自分と向き合う時間を求める人が増えているからかもしれません。
会津桐のやさしい木目、足にすっとなじむデニムの鼻緒。
履くたびに木のぬくもりが伝わってきて、自然と背筋が伸びていく。
和装だけでなく、Tシャツやデニムと合わせても違和感のないデザインは、日々の暮らしにそっと寄り添ってくれます。
夏祭りや花火大会が恋しくなるこの季節に、足元から季節を楽しむ準備をはじめてみませんか?
この記事では、そんな「下駄」の魅力を、家具と雑貨の店ならではの視点でご紹介していきます。
1.懐かしくて、新しい。下駄とともにある夏の記憶

夏の夕暮れ、浴衣姿で歩いた祭りの道。
カランコロンと響く下駄の音が、どこか懐かしく感じられる方も多いのではないでしょうか。
そんな日本の伝統的な履きもの「下駄」は、昔ながらの風情を残しながら、今の暮らしにも自然に取り入れられる存在として、少しずつ注目を集めています。
特に天然木を使った下駄は、見た目の美しさだけでなく、足を入れたときの軽やかな履き心地も魅力です。
当店では、会津桐を使った下駄をご紹介しています。
くっきりとした美しい木目と、軽くて扱いやすい素材感は、日々木の家具にふれている私たちから見ても、信頼できる品質です。
そして、鼻緒には児島デニムを採用。
和装にはもちろん、Tシャツやワンピースなどのカジュアルな服装にも合わせやすく、気軽に楽しめる一足に仕上がっています。
下駄は、決して特別な日だけのものではありません。
ちょっとした外出や、夏の散歩道でも、木のぬくもりとともに過ごす時間を届けてくれます。
季節の空気を足元から感じられる、そんなやさしい道具です。
2.「軽やかさ」と「美しさ」をまとう、会津桐の魅力

「桐(きり)」は、日本の暮らしと長く寄り添ってきた木材です。
昔からタンスや箱物などに使われてきたように、湿気に強く、軽くて丈夫。
扱いやすく、それでいて上品な表情を持つ素材として、今も根強い人気があります。
中でも会津桐(あいづきり)は、国産の中でも質の高いものとして知られています。
福島県の気候と土壌に育まれた桐は、きめ細かな木目と、ほんのり黄味を帯びたやわらかな色合いが特徴。
その見た目の美しさに加え、持ち上げてみると驚くほど軽く、手にしっくりとなじみます。
この素材を使った下駄は、見た目の印象以上に、履いたときの軽やかさに驚かれることが多いです。
長時間歩いても疲れにくく、足元をやさしく支えてくれる感覚は、桐ならではの魅力かもしれません。
また、桐は熱が伝わりにくいという性質を持っているため、夏の暑い地面の熱を和らげてくれる効果も。
裸足で履いても、さらりとした肌ざわりが心地よく、汗ばむ季節にも快適に過ごせます。
家具を選ぶときと同じように、素材を知ることで、毎日使う道具にも自然と愛着が湧いてくるもの。
会津桐の下駄は、そんな「素材の良さを味わえる暮らし」を届けてくれる一足です。
3.児島デニムの鼻緒が叶える、カジュアルな足元

「デニム」と聞くと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのはジーンズかもしれません。
そして、そのジーンズの本場として知られるのが、岡山県倉敷市の児島(こじま)。
繊維の町として長い歴史を持つ児島は、国内外からも高い評価を受ける“国産デニムの聖地”として、多くの職人やブランドが集まる場所です。
溝手商店の下駄には、この児島産のデニム生地を鼻緒に使用しています。
伝統的な形を守りながらも、どこか現代的な表情を感じさせるのは、この素材の持つ力があってこそ。
和装にはもちろん、Tシャツやジーンズ、ワンピースなどのカジュアルなスタイルにもよく合い、普段使いしやすいのが大きな魅力です。
デニム素材の良さは、見た目のおしゃれさだけではありません。
しっかりと織られた生地は足に優しくフィットし、履くたびに少しずつ馴染んでいく感覚が心地よく、まるでジーンズを育てるような楽しみもあります。
また、丈夫さにも定評があり、長く使えるのも嬉しいポイントです。
伝統と現代が自然に溶け合う一足。
児島デニムの鼻緒は、下駄のイメージを一新しながら、日常に取り入れやすい「ちょうどいい和」を演出してくれます。
4.職人の手仕事が生む、履き心地という贅沢

下駄をつくるうえで欠かせない工程のひとつが、「鼻緒(はなお)すげ」です。
土台となる台に、鼻緒をバランスよく、そしてちょうどよい力加減で差し込んでいく作業は、見た目以上に繊細で、まさに職人の技が問われる部分。
ビッグモリーズのスタッフも以前、鼻緒すげの実演販売会に参加したことがあります。
鼻緒すげは履き心地とともに、歩いている際の安全性にも直結する大事な作業。
岡山では唯一となった職人の溝手さんが驚くほどスムーズな手さばきで下駄を仕上げていきました。
この体験を通して強く感じたのは、「履きやすさは、見えないところで生まれている」ということ。
足を入れた瞬間にすっとフィットする感覚や、歩いたときに鼻緒が食い込まない心地よさは、こうした丁寧な手仕事の積み重ねがあってこそだと思います。
当店で取り扱っている会津桐の下駄も、職人が一本一本手で鼻緒をすげています。
使い手の足を思いながら仕立てられた一足は、見た目の美しさだけでなく、長く愛用できる履き心地を届けてくれます。
5.すっきりとしたフォルムが美しい理由

下駄というと、どこかごつごつとした印象を持たれる方もいるかもしれません。
しかし、当店でご紹介している会津桐の下駄は、見た目にも履き心地にもこだわった、やさしく洗練されたフォルムが特徴です。
全体のシルエットもやや細身で、コンパクトに設計されているため、見た目に重たさがなく、足元をすっきりと見せてくれます。
さらに、仕上げに焼き加工を施すことで、表面には深みのあるダークブラウンの色合いが生まれています。
この焼き仕上げによって、木目の美しさがより引き立ち、落ち着いた印象に。
カジュアルな服装にも合わせやすいだけでなく、シックで大人っぽいコーディネートにもよく馴染みます。
こうしたデザインの積み重ねが、派手さはないけれど、どこか品のある佇まいをつくり出しているのだと思います。
日常のなかで履くたびに、そのシンプルな美しさに気づかされる――そんな一足に仕上がっています。
6.ただ歩くだけで、体も心も整う一足
デスクワークやスマートフォンを見る時間が増え、気づかないうちに体が固まり、姿勢が崩れてしまう――
そんな悩みを抱えている方は、実はとても多いのではないでしょうか。
「運動不足は気になるけれど、何から始めたらいいかわからない」
「ジムに通うのは少しハードルが高い」
そんなときにこそ、まず見直してみたいのが“歩く”というシンプルな習慣です。
下駄は、足指や足裏全体を使って歩く構造になっているため、自然と姿勢が整いやすくなる履きものです。
かかとから着地し、足指でしっかり蹴り出す。
その一歩一歩が、ふくらはぎや太ももの筋肉を優しく刺激し、血行を促進してくれます。
特に冷え性に悩む方や、脚のむくみが気になる方には、うれしい効果が期待できます。
また、歩くだけでじんわりと汗をかくような心地よさも、下駄ならではの魅力。
日常の中で自然と動く時間が増えることで、体が軽く感じられたり、リフレッシュできたりと、気持ちの面でも前向きな変化が生まれやすくなります。
もちろん、無理に「健康のために」と意識しすぎなくても大丈夫です。
ふとした外出や、少し遠回りして歩く帰り道。
そんな日常のなかで、足元から整っていく感覚を、ゆっくりと楽しんでいただけたらと思います。
7.夏の一日を、足元から心地よく。

夏になると、浴衣を着て出かけたくなる場所がいくつかあります。
花火大会、地元のお祭り、夜風の心地よい夕涼み。
そんな季節のひとときに、下駄はとてもよく似合います。
会津桐で作られた当店の下駄は、素足に木が触れたときの感触がやさしく、歩くたびに足裏から風が通るような、涼やかな履き心地が魅力です。
木そのものが余計な熱を持ちにくく、足の裏が蒸れにくいため、夏の暑さの中でも快適に過ごせます。
でも実は、桐という素材は空気をたっぷりと含む構造になっていて、冬の寒さからも足元をふんわりと守ってくれる一面もあります。
意外かもしれませんが、下駄は夏だけでなく、季節を問わず楽しめる履きものでもあるのです。
とはいえ、まずは夏から。
涼しげな浴衣に合わせるのはもちろん、シンプルなTシャツやワンピースに合わせても、足元にさりげない季節感が生まれます。
お祭りの賑わいの中でも、静かな夕暮れの道でも、自分のペースで歩く感覚が心地よく感じられるはずです。
足元から、季節を楽しむ。
そんな一日を過ごしてみたくなるような下駄はいかがでしょうか。
8.家具と雑貨の店が選んだ、下駄という贈り物
家具や暮らしの雑貨を扱う私たちが、この会津桐の下駄をおすすめするのには理由があります。
それは、ただの履きものではなく、日本の伝統や丁寧なものづくりを感じられる道具として、暮らしに彩りを添えてくれるからです。
素材の良さ、職人の技、そして季節の楽しみを足元から届けるデザイン。
それらが一つにまとまった下駄は、自分用はもちろん、大切な方への贈り物としても喜ばれます。
特にこれから迎える夏祭りの季節は、心のこもった贈り物として選ばれることが多くなります。
また、桐の軽さや児島デニムの丈夫でカジュアルな鼻緒は、日常に無理なく取り入れやすい点も魅力。
和の趣を残しつつ、現代の暮らしに寄り添う一足として、多くの方に手に取っていただければ嬉しいです。
当店ではオンラインでもご紹介していますので、遠方の方や贈り物選びに迷われている方も、どうぞ気軽にご覧ください。
伝統の技と現代の感性が出会った下駄が、皆さまの暮らしにやさしい彩りを添えられますように。
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